(↑で視聴可能) クローズアップ現代「利用者急増!“にぎやかな図書館”のヒミツ」
初回放送日 10月14日 NHK総合
配信期限 10月21日19:57
図書館を現代のテルマエに!
ドキュメンタリー映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」('17)には興奮&感激したけれど、日本ではああいう試みはなされていないんだろうな……と思っていた。
あるんですね。素晴らしい。
「人を繋ぐうつわ」としての賑わい空間=図書館がいま日本全国で増えていっている。図書館では静かに、はもう古い!?
岐阜の図書館(みんなの森 ぎふメディアコスモス)ではおしゃべりも子供の声もOKにして来館者10倍(市人口の3倍)に。壁もない開放的な空間。静かに本読みたいんですという人には防音ブースもある。市民による本の交換会(あげる人もらう人が言葉を交わすのがルールというのがいい)などなど年間100以上のイベント。
プロデュースした吉成信夫氏「子供の声は未来の声」。
「賑わい図書館」が全国で急増したのには2014年からの国の「コンパクトシティ政策」がある。図書館の周囲に市民交流センターなど多機能型の複合施設を作る場合に国(国土交通省)から交付金が出る制度がある。この交付金補助金制度を活用して10年で約100館が建設されている。
札幌市では「ビジネス特化図書館」。半分以上がビジネス書、いつでも手にできるよう貸し出しはなし。新しすぎる。貸し出さない図書館。
ビジネスの無料相談窓口(国制度活用)も設け、中小企業診断士・税理士などに相談ができる。
岩手では農業支援特化といったように土地のニーズに合わせた図書館が作られている。
糸賀雅児氏(慶応大)「図書館は本だけではなく雑誌も新聞も行政資料、地域資料も収集している。それらを組み合わせたコンテンツを作ることもできる。確度の高い情報から最適解が得られる」
なるほど。図書館は実はいろんなことの最強のアドバイザーになりうるわけか。
宮崎県都城市では都市の空洞化が課題。その跡地に図書館を中心とした複合型施設を整備。図書館の隣には食事ができるカフェ、子育て支援センター、保険センター、スーパー、観光客向けホテル。
図書館を中心に複数の施設を集約することで人流は5倍に。
これってもしかして?と調べてみるとやはり。ヤマザキマリでおなじみ、古代ローマの公衆浴場テルマエは運動場、図書館、庭園、飲食スペースを併設し、1日中滞在可能な場所だった。無料もしくは安価で庶民から貴族までが利用可能。
昔から人はこういう空間を求めてるんですね。
図書館が現代のテルマエになる……楽しそうじゃないか……
最後に「注意点」についてもお二人から。
吉成氏「図書館はまとまりや繋がりの回復の場。だがシビックプライド、自分たちの場所だと思えるようにどう作っていくか。そういう関係性の質感や豊かさがあった上の賑やかさでないといけない」
糸賀氏「立派な建物と本があればよいわけではない。職員は非正規が多く待遇面の問題もある。きちんとした選書、しっかりした職員。司書という専門職を置く図書館にはその視点を持ってほしい」