①
制作: Ligne de Front フランス 2024年 (放送日 2025年10月8日)
②
制作: Brook Lapping / Les films d'ici / Zinc Television イギリス/フランス 2025年(放送日 2025年10月7日)
③
制作: NHK(放送日 2025年10月3日)
①ネタニヤフ首相に代わると目されているヤイル・ゴラン氏。イスラエル左派勢力のリーダー。イスラエル国防軍の元副司令官。2023年10月7日に音楽祭会場で6人を救助した英雄。
「深刻な汚職や過激なナショナリズム、他者を犠牲にした孤立の上に築かれた国などありません。トラウマを抱えた我々が自滅するかあるいは強固な国として浮上するか。皆が共生できるより良い国になることもできるのです」
「ネタニヤフは自身の政治的な思惑から人質解放に後ろ向きだ。ガザを占領したい過激派の意向を優先している。我々に唯一できることはガザ地区を安定させるためにスンニ派の穏健な国々やパレスチナ自治政府、そして国際社会にも介入を求めていくことだ。同時に、ハマスの代わりになる平和的で新しい選択肢を用意する必要もある。」
明るい光と思えるような人を探しその人を見続けること。
最近は意識的にそうしている。ヤイル・ゴラン。この名前は覚えておく。
②シャロン首相時代から現在に至る経緯を多数の関係者インタビューで綴る構成。直近の歴史を知ることは現在のニュースを深く見る助けになるが、自分はイスラエルの起こりからの歴史についての知識が曖昧だったので別途勉強し直している。
③特に2023年10月7日のハマスによるテロ攻撃とその後のガザ地区での状況について語るイスラエル側の人々、軍人や教師たち、観光ガイドの女性の姿を映し出す。彼らは戦争の影響、メディアの偏向、フェイクニュース、そしてイスラエルの社会や若者の意識の変化について議論、個人的な体験や感情、戦死者の追悼、日常生活の断片も含まれる。シャロン時代からの映像も。
日常のリラックスした状況の中で話し合われる紛争。非日常の状況が日常化すれば市井の人々がこういう会話を交わすことになるというあたりまえのことに気づかされる作り。
番組の最後に「実情を伝えるため遺体の映像が流れます」のテロップ。つらい映像が続く。戦争を扱う番組の使命は恐怖を植え付けること。こんな事態には絶対になりたくないと思わせること。だがここにおいてはそれよりも取材すべき相手や問いかけるべきことがあるのでは?と感じた。その意味でも制作者の異なる3番組を視たのはよかった。
ドキュメンタリーはNHK、かつては民放も併せて同時期に同じテーマのものが複数放送されることが多い。たくさんあるからひとつでいいだろう、ではなくできるだけ多く見ておくと自分の中に複数の視点が設けられ事が見えやすくなる。